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2018年9月29日 (土)

筋力と諸々は雪のように

こんにちは
杉乃葉巴子(すぎのはともこ)です。

トイレ診断の項目の中には、
アンモニア濃度の計測というのもあります。
診断士二級試験の実技研修では、検知管を差した気体採取機を
一気に引く事に腕をプルプルさせて苦労しました。
何度も練習したら翌日筋肉痛で、湿布を貼って研修を受けるハメに。
太いのに筋肉が入ってない腕の持ち主。杉乃葉巴子です。

先日の某現場での初期作業では
見事な尿石の固着した便器を夢中で擦って磨いて作業した結果、
右腕が痛くて上がらなくなり、ロキソニンテープだらけ。
誰かオラに前腕筋を分けてくれ、、

こんな杉乃葉ですが、昔は普通の女子より
握力も筋力もありました。
本当です。
大学時代は彫塑に打ち込んでいました。
彫塑とは粘土で造形し、石膏で型を取り
石膏やら樹脂やら金属やらを流し込んで
成型する具象彫刻の1つです。
この石膏での型取りというのが非常〜〜〜に大変なんです。

石膏の粉末に水を入れると反応して固まります。反応時間に制限があるので、やる時は一気に進めていかなければなりません。
誰かが型取りに入る時は、皆で協力して作業します。

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※型取り助っ人達と杉乃葉巴子の作品
全員「捨てても良い服」で参加します。
石膏や樹脂が付いた服はもう洗濯も出来ません。

仕上がった粘土の像に、まず切金と呼ばれる小さな板を線状に刺していきます。
コレは型取り用の「雌型(めがた)」と呼ばれる石膏に分割の切れ目を入れる為のものです。
我々学生はアルミの空き缶をハサミで切って使っていました。
雌型の第一層目は柔らかく優しく、粘土の表面のタッチを守るようにハケで。

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※一層目を塗り終えた、四半世紀前の杉乃葉巴子。握力在りし日の姿。

二層目は少し硬めに、一層目の石膏を保護するようにヘラで塗ります。
我々はカレースプーンを金槌で叩いて平たいヘラを自作していました。

その後、地獄の「針金入れ」という作業があります。中の粘土が乾燥したり、石膏内部の水分がなくなる事による変形を防ぐ為
8番線の針金を型に添わせて埋めていくのです。
コンクリートに入れる鉄筋みたいなものですね。
ペンチで細かく曲げて加工しながら、凸部を追いかけながら全体に縦横無尽に埋めていきます。
泣きたくなる地道で辛い作業です。
その後はシュロの繊維を石膏に浸して貼り付け、更に強度を高めていきます。
ポーズにより折れやすそうな部分には、垂木などで添え木をして、厚く塗り固めて雌型の完成です。

完全に乾燥して硬化するまで待ち、
切金にそって慎重にノミを入れ、分割して粘土から剥がします。
全ての粘土を掻き出して、雌型だけを次に使います。
樹脂像の場合は粘土の水分が残って居るうちに、水分が剥離剤となります。
石膏像の場合は薄めた石けん水を雌型にサッと塗る事で剥離剤とします。
分割された雌型に、今度は像本体となる「雄型(おがた)」の素材(樹脂や石膏)を塗り、雌型を組み上げて雄型を成形します。
樹脂にも硬化時間の制限があるので、これもノンストップで夜を徹して作業します。

雄型が完全に硬化したら、雌型をノミと木槌で割り出し、像を取り出して造形完成。
その後、熱で溶かしたニカワ樹液と顔料を混ぜてイメージに合う塗料を調合し、塗装します。
これが彫塑の「石膏取り」という作業の大まかな流れです。これでも、かなりザックリしています。
興味のある方は、検索してみて下さい。

ただの「彫塑の型取り豆知識」になりましたが、、
要するに私にも根気が必要な重労働に没頭した数年間があった訳で、それがあったから舞台美術の世界へ飛び込んで行けたワケですね。
あれから四半世紀、、
大道具の大工だった時代までは、確かにありました。それも20年以上前の事。
どこに消えたんでしょうか、私の筋力。
毎日ペンチをニギニギしながら培った握力、使わない事で退化して行き、やがて雪が溶けるように、消えて無くなったのでしょうか、、

※大学卒業前の杉乃葉巴子と彫塑ゼミの仲間達
さて、どれが杉乃葉さんでしょうか?
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コメント

三列目の右端!右向いて全裸の人ぢゃないですか?

投稿: 東海太郎 | 2018年9月29日 (土) 17時44分

惜しい!
集合写真に全裸で金色のボディペイントで写る。
完全に変態ですね。
22歳の杉乃葉巴子はそこまでではありません。

投稿: | 2018年9月29日 (土) 20時53分

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